積聚治療について

当院にて用いる、「刺さない鍼」について解説します!!

私は教員免許を取得するため東京に行きましたが、その動機の一つともなったのが「刺さない鍼」の習得でした。

この鍼は、積聚(しゃくじゅ)治療というものを用いています。この流派(治療法)は、当時東京でしか学べませんでした。このこともあって鍼灸の教員免許を取得するため、東京へと行きました。東京での勉強は、同じ志を持つ様々な世代の知り合いが出来て、楽しい時間でもありました。

積聚治療が出来た経緯と大事にしていること

この治療法は、関東にあるK鍼灸専門学校での実技の指導から生れたもので、それは1976年に遡るが、学生対象の為、非常に単純な治療手順を基本としています。治療の流れは、後述しますが、鍼灸師を志す学生であれば誰でも習得することが出来ます(笑)

積聚治療で大事にしていることは、「指標」というものです。治療中に患部をはじめ、様々な部位を触れます。この触れた感触(硬さや痛みなど)のことを指標ととらえ、その変化を常に診ながら治療をしていくことに重きを置いています。

一般的な治療の場合、痛いところに鍼や灸を行いますので、その状態では患部の硬さなどを調べることが出来ません。積聚治療だけではありませんが・・・「患部ではないところ」に鍼灸を行い「患部の状況:指標」を観察するのが、新鮮な驚きでした。

積聚治療の流れ

簡単にではありますが、積聚治療の流れについて書いていきたいと思います。

①問診

患者さんの訴えについて、カウンセリングを行います。これに関しては、どの流派でも行います。

②患者さんをあおむけにする

患者さんの訴え(主訴)を確認し、検査等を行います。

その後、お腹に鍼を当てていきます。お腹には、五臓六腑(内臓)が入っていますので、お腹の調子を整えていく狙いがあります。

また、脈とお腹を触ります。特にお腹の痛みの確認は、大事にしています。その方の内臓の調子により痛い部位が変化していきます。また、この後の治療方法の根拠にもなります。

③患者さんをうつ伏せにする

背中に鍼を当てていきます。お腹と同様に、内臓の入っている部位(後ろ側)となりますので、背中の治療は大事です。

また、患者さんの訴えがある部位の確認も行います。お腹の痛い部位に合わせて、背中のあらかじめ配当された部位に、鍼を当てていきます。鍼を当てながら患部を触り、痛みなどの変化を確認していきます。この治療に出会った頃、鍼を当てているとみるみる患部の硬さがほぐれていくことに驚いたのは今でも忘れません。

合計4か所のツボに鍼を当てていきます。その間も常に患部の状態を診ていきます。患者さんによっては、1個目のツボで痛みが無くなることもあります!!

また、状況によっては、背骨にお灸を行います。4か所に対してお灸を行いながら、患部の状況を確認します。このお灸は、程よい温かさのものを選ぶことが多いのですが、ほとんどの方がつい寝てしまいます。

④患者さんをあおむけにする

治療前に痛かったお腹の部位を確認して、治療前の状況と比べます。また、脈も同様に比較します。

⑤患者さんに座ってもらう

その日の治療について説明をします。痛みの原因や今後気を付けることなど、説明していきます。

またお灸やストレッチなど、その方にとって大事となるセルフケアも合わせてお伝えします。

まとめ

今まで、積聚治療について書いたことが有りませんでしたので、簡単にではありますが、積聚治療について書いてみました。

現在も積聚治療を学ぶためには、東京か北海道に行くしかありません。そんな珍しい治療を行う私は珍しい存在かもしれません(笑)

また、積聚治療で更に学びたいことがあるのですが、時間もお金もかかることよりこの学びはもう少しお預けです!!

幸温灸院 河口弘幸

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